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相談室便り バックナンバー64


痛みがわかる友人関係
~心の武装解除でできる「心友」~

 


 

友人関係で気疲れする原因
 
 友人関係の相談では「一人ぼっちになりたくないし、嫌われたくないので、表面上は合わせている。」「言いたいことを我慢しているのでストレスがたまる。」「友だちの本音を知りたいけど、傷つくのがこわい」など、腹を割って話せる親友を作りたいけれど、もめるのも嫌だという話を聞くことがあります。
 それだけ相手に気をつかっていれば、気疲れしてしまいます。気分を害さないように、いくら相手の気持ちを考えても、本音や正解がわからないままモヤモヤしていれば、心は休まりません。
 そして、常に気を張って生活していれば、緊張という厚く重い“心の鎧”をまとうようになります。心の鎧をまとうことで心の傷は防げても、心身は固く重くなってきます。もっと楽に友人関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか。
 
 
本音と建前、苦痛と苦悩
 
 自分の心が傷つかないように、相手の心を傷付けないように、寝る前に「一人反省会」を開き、起こりうる状況を「一人シミュレーション」します。しかし、頭の中で考え過ぎると、苦悩を抱えるようになります。
 その一方で、多少お互い傷つくことがあっても友人の本音がわかったらどうでしょうか。友人関係の相談に来ていたある女子生徒の話です。彼女は関係が悪化している友人のことで悩んでいた時、勇気を出して自分のことをどう思っているか、直接聞いてみたそうです。
 そうしたら「あなたのことが嫌い」と言われてしまったとのこと…。それを聞いたときは傷ついたけれど、すっきりしたそうです。なぜなら、その場では苦痛を感じたけれど、ずっと抱えていたモヤモヤした苦悩が晴れたからでした。
友人関係において建前を優先し過ぎると苦悩を抱え、本音を優先し過ぎると苦痛を感じます。苦痛はひと時ですが、苦悩は長く続きます。そう考えると、苦痛を感じるほうが楽なのかもしれません。
 
 
嫌だと思う権利
 
 みんなに好かれようとする人間関係はとても疲れます。みんなに好かれるような完ぺきな人は「嫉妬攻撃」を受けてしまうこともあります。どうしても気が合わない人とは距離を置きたいと思うことは誰にでもあります。誰にでも相手のことを「嫌だと思う権利」や相手と「距離を置く権利」はあるのかもしれません。
 もちろん、その権利を主張しすぎて、傷つくようなことを言ったり存在を無視したり、いじめにつながるようなことはいけません。ただ、ほどよい距離感は無用な争いを避けることにもつながりますし、何よりも境界線を引くことでお互いを尊重することができます。国境があるから平和があるとも言えるからです。
 日本国憲法では「精神の自由」が保障されています。相手を傷つけるわけでなければ、相手のことを心の中ではどう思っても自由です。自分が嫌われたくないからと言って、相手の気持ちまで介入しようとすることは、精神の自由を脅かしているのかもしれません。
 
 
心の武装解除
 
 自分が思っていることも相手が思っていることもお互いに尊重できれば、詮索する必要がなくなってきます。詮索しなければ苦悩を抱えることもなくなってきます。 
心の痛みに敏感な人ほど、「あの人はこう思っているに違いない」「この人は自分のことを嫌っているはずだ」など、人の気持ちを勝手に決めつけてしまうことがあります。また、緊張やストレスを抱えているときほど、被害的に受け取ってしまいがちです。
 早とちりや誤解、思い込みが強くなれば、余計に人間関係がややこしく、苦悩が強まってきます。友人関係がこじれたときほどリラックスして、心の武装解除をしてみましょう。
 緊張という心の鎧を脱ぐことで、心の痛みをダイレクトに正確に感じ取れるようになります。そのときは苦痛を感じるかもしれませんが、それだけ相手の気持ち、本音を感じられたということです。あれこれ詮索して苦悩を抱える友人関係ではなく、ありのままの心の痛みを分かち合える友人関係を築けたら、心から信頼できる「心友」ができると思います。










 

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