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心の井戸を満たすには ~エネルギーが足りないと思ったら~
元気が出ない・・・
文化祭準備で慌ただしくて、勉強どころではないかもしれませんが、最近、何だか勉強をしていてもやる気が出ない。休んでいるのに元気が出ない。頭ではやる気になっているのに身体がついてこない、ということはありませんか。そういうときは体力ではなく、気力が足りなくなっている可能性があります。
目標を見失ったり、心が傷ついたり、自分の本来の気持ちを抑え続けているときに、心のエネルギーが低下してしまうことがあります。そのようなときのエネルギーのため方について書きたいと思います。
心の井戸が空っぽ
人は心が傷ついたときは、感情をマヒさせたり、感情をおさえつけたりすることで、心の痛みを感じないようにすることができます。これを精神分析学では、「防衛機制」と言います。心の痛みを回避することは、一時的には必要なものですが、そのために、心の鎧をまとい続けていると、気持ちまで重く鈍くなり、自分の本来の気持ちがわからなくなってくることもあります。
心のエネルギーを井戸に喩えるなら、底の表面をコンクリートで固めてしまうことで、水が湧いてこなくなり、井戸の中がからっぽになってしまっている感じです。井戸水が空っぽなので、当然、エネルギーは低下していきます。心は渇き、虚しい気持ちになってきます。
地下水をくみ上げる
心の井戸が空っぽになったら、地下水をくみ上げねばなりません。地上が意識だとしたら、地下は無意識です。意識とは頭で考えていること、無意識は身体で感じていることと言ってもいいでしょう。地下水(無意識)から無限の水をくみ上げるには、まず、身体で感じている感情に触れる必要があります。
自分の本来の気持ちと向き合い、少しずつ揺さぶることをカウンセリングでは「共感」と言います。人と気持ちを共有することで、心が揺さぶられ、地表が割れてきて、そこから少しずつ地下水が湧き出てきます。自分の感じていることを掘り下げて、無意識レベルで気持ちを共有できたときに、人の感情は動き出すことができるのです。
感動が心を満たす
「感動」とは、感情が動くと書きますが、怒りや悲しみ、不安などの気持ちを人と共有できると、感動することができます。エネルギーが足りないときは、感動することをお勧めします。みんなで歌を歌う、コンサートを行う、映画やドラマを観る、とことん語り合うなど、いろいろな気持ちに触れてみて、人に気持ちを伝えたり、共有したりすることで、感情があふれ出るようになります。
エネルギーが低下していると思ったら、自分の気持ちと向き合い、人と共有することで、心の井戸を掘ってみましょう。そこから湧き出た感情、心のエネルギーを、受験や部活に向けて感動できれば、もっともっとエネルギーが湧いてくるはずです。気持ちをぶつけて成し遂げたことは、きっと感動できると思います。文化祭もみんなで感動を共有して、心のエネルギーをたくさん得られるといいですね。