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そうだ、呼吸しよう ~毎日が生きやすくなる呼吸力~

 
緊張しているとき…

 クラスの友人関係に息苦しさを感じたり、毎日の勉強で息詰まったりすることはありませんか。息とは自らの心と書くように、心の状態は息、すなわち呼吸に表れてきます。
 
たとえば、緊張している時は「はぁはぁ」と速くて浅い呼吸なりがちですが、リラックスしているときは「すーすー」とゆっくりで深い呼吸になっています。
 したがって、ストレスフルな状態が続いて息切れしたときは、一息入れられれば、気持ちを切り替えることができるわけです。今回はその一息入れるコツについて述べたいと思います。


腹式呼吸のススメ

 ゆっくりで深い呼吸をするには、丹田と呼ばれるへその下辺りを意識して、吸ったときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませて行う「腹式呼吸」がお勧めです。
 肺下の横隔膜を広げるように、鼻から吸って鼻から吐くか、鼻から吸って口から吐くようにします。吸う息よりも吐く息の方をなが~くします。ストローをくわえているような口にするとよりゆっくり吐くことができます。そして、吐く息とともに全身の力(特に肩の力)を抜けるとさらにリラックスできます。その際、姿勢をまっすぐにして中心を作った方が無駄な力が入りにくくなるので、より深い呼吸がしやすいです。
 数多くの金メダリストを輩出している米国のスタンフォード大学では、疲れない身体を作るために呼吸法を取り入れています。それは腹圧呼吸法と言って、(腹式呼吸とは逆に)吐くときにお腹を膨らませたまま吐くやり方です。楽にできる方法を試してみて下さい。



呼吸力を高める効果

 腹式呼吸によって、全身に酸素が巡りやすくなることで頭の働きがよくなったり、代謝がよくなることで体温を上げ、免疫力を高めたりする効果もあります。
 スポーツの分野においては、インナーマッスルが鍛えられたり、重心が下がることで安定感が出てきたりします。日本の伝統的な武道である合気道では「呼吸力」を養成していますが、システマというロシアの格闘技では常に呼吸し続けることを重視しています。それは恐怖で身体が固くならないようにするだけではなく、力を抜くことによってよりインナーの筋肉を活かせるからです。
 また、ボクシングの世界チャンピオンの井上尚弥氏は呼吸でジャブを打つと述べています。相手の呼吸を感じ取れれば、自分の間合いで勝負できますし、脱力した方がよりスピードを高めることもできます。

 そして、音楽の分野においても、みんなの呼吸が合えば、息の合った演奏や合唱ができるようになってきます。ライブ会場では歌手と観客の息が合えばより感動できるでしょう。


息のしやすさは生きやすさ

 ある語源辞典によると「息」は「生」を意味するという説があります。息のしづらさは生きづらさにつながるのだとしたら、息がしやすくなれば生きやすくなるのかもしれません。
 友人関係で息苦しさを感じたり、勉強に息詰まったりしたときは、ゆったりした呼吸をし忘れていることがあります。気づいたときだけでもいいので、腹式呼吸で息抜きをしましょう。そうやって、呼吸力を高めてリラックスできたらば、また息を吹き返し、生き生きとした日々が戻ってくると思います。

 

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